外反母趾って、どんな病気ですか?
一般的には、足の親指が外側に曲がって、酷くなると浮いて捻れてきてしまい、出っ張ったところが当たって痛くなると言われている病気です。
当ラボでは、親指が浮いて力が入らなくなり、痛みと共に親指が曲がって捻じれる病気と考えています。
合っていない靴(大き目)の中で足が動いて(滑って)しまい、つま先にぶつかって指が曲がって浮いてくるといういわゆる”浮指“状態になり、その結果、正常な関節の動きが妨げられ、足裏のアーチを支えている筋肉にも力が入りにくくなり、筋力が低下し、関節に負担がかかってしまい、最終的に変形に至ってしまいます。
先天性の要因って?
所謂、顔が似ているのと同じように骨格も似てくる遺伝的要因という意味合いがあります。
よく見られる先天性の病気として、女性に多い先天性股関節脱臼があります。
両足共外反母趾の方の場合、それが似てしまうことがあると思います。
靴の選び方や履き方、紐の結び方で状況を良い方向に変えることもできます。。
後天性の要因って?
産まれてから現在まで、自身の身体に起こったアクシデント等に関する要因で、よく見られるものとして、怪我があります。
骨折や捻挫が有名です。膝前十字靭帯損傷の方の場合ですが、歩き方の影響で同側性の外反母趾になった方を何人も診たことがあります。
この他にも、履き物の影響や仕事の動作の影響などがあげられると思います。
即ち、外反母趾になってしまうようなバランスの崩れた歩き方が発生要因になってしまうということを知って欲しいです。
どう対応すれば良いですか?
目的や症状によっても変わってくると思います。予防目的なのか、軽症で自己観察中なのか、中程度~重度で治療中なのかなど、ザックりと分けていまいましたが、個々人の考え方によってもかなり変わってくると思います。
直ぐに医療機関を受診する人、我慢して何処にもいかない人、合う靴がないか探しに行く人、整骨院や整体に行く人等色々なタイプの人がいらっしゃるかと思いますが、その時に出会った人(治療者や靴屋の人など)によってかなり違ってくるかと思います。
結局のところ、その人の考え方(治療法)で対処されてしまいますので、自分が何を(誰を)信じるか?で決まるのではないでしょうか。
予防目的の方の場合の対応は?
ほとんどの人は、この段階では何もしないと思いますが、実はこの時期に行動する事が一番重要だと思います。
具体的にすべき事として、先ずは自分の足のサイズを知る事から始めましょう!足サイズ計測が出来る所で、理想的には体重の掛かった広がった足と体重が掛かっていない細くなった足のサイズを計ってもらうべきです。
その上で、足の特徴(柔らかい足か硬い足か)を判断し、歩くための靴フィッティングをしてもらうべきです。
そして、これが最も重要なポイントになりますが、正しい靴の履き方と原則紐靴を履いて頂きたいので、正しい靴ひもの結び方を覚えて頂くと「歩くための足に合った靴」がさらに歩きやすくなると思います。
所謂、外反母趾にとって一番重要な「母趾が使える靴内環境」に近づいてきます。
軽度で自己観察中の方の場合の対応は?
この時期もやはり大切なのは、自身の足の特徴を知る事だと思います。
予防目的同様、履き物が重要で、原則紐靴にしていただき、正しい靴の履き方と正しい靴紐の結び方を確実に覚えて頂く必要があります。
また、この段階の人は履き物だけではバランスが取れない人もいますので、さらにバランスよく歩ける靴内環境にするために「バランスケアアーチサポートインソール」の使用をお勧めしています。
そのためには、バランスケア対応のできる施設で対応してもらう必要があります。
中等度〜重度で治療中の方の場合の対応は?
この時期になると、医療機関で治療を受けている方が多いと思いますが、決してやって欲しくないこととして、所謂「外反母趾用シューズ」という名前が付いている靴を履かないでいただきたいということです!このタイプの靴は太さも幅も大きくしてあり、“出っ張ったところが当たらないように”という考えで作られているものばかりです。
なぜ出っ張ってしまったのか?という大事なポイントには全くアプローチされていませんので、結局履くとバランスをくずして(靴の中で足が動いてしまい、悪い動きが出現してしまい)痛みの増強や変形の進行と言ったマイナス要因が多くなってしまいます。
バランスケア対応としましては、予防や軽度の所でも書きましたが、やはり重要なポイントは「歩くための靴フィッティング(動きのある足に合わせた適正な靴選び、正しい靴の履き方、紐の結び方をすること)をすること」と「歩くための靴内環境を整えること」になります!
もちろん、手術をされた人にもプラスになる対応法ですが、あくまでも主治医に従って行動されることが重要だと思います。
外反母趾に良い靴ってありますか?
もちろん、あると思いますが、パーフェクトフィッティングの靴はないと思います。人間の身体は左右対称ではありませんし、ましてや外反母趾と言う変形のある足は、左右の足の大きさも形も違います。
そして、殆どの方が知らない重要なポイントとして、外反母趾でも意外に細くて柔らかい足の人が多いという事実です。
「私の足は、幅広で甲高なんです!」と言う人が大多数ですが、実際に計ってみると真逆で細くて甲が薄く横に広がってしまう足が殆どです。
さらには、歩く際に足は地面に着いたり浮いたりしながら前に進みますが、その増減が激しい人、即ち柔らかい足の人がバランスを崩してしまいます。
細い足や柔らかい足の人は、サイズを下げたり、靴ひもをしっかりと締めて、足のアーチ機能を発揮しやすい靴内環境にしてあげるべきと思います。。
痛みが楽になったらどうするの?
人間誰しも年を取りますし、当然筋力も少しずつ落ちてきます。加えて太ってくる人もいます。いずれにしても、痛めた部分に負担をかけないようにすることが大切です。
そのためには、先程から何度もお伝えしていますように、歩くための適正な紐靴を履いて、歩くための靴内環境を整えたアーチサポートインソールを装着し、定期的にチェックしてもらうことが重要と思います。これをしっかりと守った人は、足元から歩くバランスが整った身体全体が快適になる状況で歩くことができると思います。